ご挨拶

珈琲のちから

  「珈琲のある風景」エッセイコンテストには、珈琲大好き、だけでなく、珈琲のおかげで人生によきスパイスを得ることができました、珈琲で愛を感じる交流ができ、人生が豊かになりなりましたなど、内容も深く心温まるものが多いです。 珈琲エッセイは、まるで珈琲へのラブレターのようです。
  主催者である私共は「名文を求めない心温まるほのぼの風景を求めます」と応募要項に記しています。応募作品を読んでいると、応募された方と話をしているような感覚になります。応募者のお一人おひとりが当店の扉を開け、カウンターに座り、マスターや私、スタッフと世間話のように話し始める。そしてそれぞれ の話の中に必ず心に響くところがあり、共に涙し、ともに笑いあっている。そのような気持ちで応募作品を読んでいます。
  第9回「珈琲のある風景」エッセイコンテストには国内外より1,020点の作品が寄せられました。過去の応募数の中で2番目に多い数となります。珈琲タイムを共に過ごしたような応募者の作品を審査するのは、毎回とてもつらい作業です。心を鬼にして審査するしかありません。
  今年も大混戦の末、最終審査で入選作品10点が残りました。入選にいたらず惜しい作品が数多くあります。
  シアトル系の珈琲店、コンビニ珈琲、カフェを利用する人など、珈琲人口が増え、今や珈琲は生活に欠かすことのできない飲みものとなっています。
  一杯の珈琲からさらなる力を得てほしい、愛と幸せを感じてほしいと切に願います。
  また、珈琲店のオーナーとして、珈琲を通して幸せ人口を増やしたいと意欲を燃やしています。
  毎年入選作品集を楽しみにし、応援してくださる方がたくさんおられます。審査委員の皆さまをはじめ多くの方々に支えていただき、心より感謝致します。
  皆さまの日々の珈琲タイムがますます満たされたときとなりますよう、心よりお祈り致します。

  ありがとうございます。

平成29年6月/株式会社船倉代表取締役 船 倉 三千代

第9回エッセイコンテスト入賞者

審査員
  • 審査委員長・・・作家・文章教室講師  出水沢 藍子 
               (「出版企画 あさんてさーな」代表 )
  • 審査員・・・・・南日本新聞社薩摩川内総局長  下栗 淳也
  • 審査員・・・・・協業組合ドゥ・アート代表理事 竹下 とみお
  • 審査員・・・・・エッセイスト  佐藤 眞司
  •    他3名
第9回「珈琲のある風景」エッセイコンテスト2017入賞者
お名前 タイトル 住所 年齢 作品
金   賞
<賞金5万円>
大西 賢 様 『妹のアルバイト』 東京都日野市 44歳 作 品
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銀   賞
<賞金3万円>
石田 智恵子 様 『日本語は美味しい』 鹿児島県鹿児島市 73歳 作 品
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銅   賞
<賞金1万円>
宜保 菊江 様 『珈琲のある風景』 埼玉県川越市 87歳 作 品
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南日本新聞社賞
<賞金1万円>
遠藤 薫 様 『午前十時の珈琲』 東京都墨田区 25歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
安東 美香 様 『今しか飲めない味』 東京都江東区 37歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
佐々木 晋 様 『0円コーヒー』 北海道恵庭市 56歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
山家 孝 様 『湯呑み茶碗とマグカップ』 宮城県伊具郡 57歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
佐々木 幹雄 様 『苦くて嬉しい卒業式』 東京都大田区 60歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
薄田 千穂 様 『目覚めのコーヒー』 熊本県熊本市 53歳 作 品
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船 倉 賞
<賞  品>
今西 梓 様 『勇気のコーヒー』 富山県滑川市 26歳 作 品
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『審査を終えて』

南日本新聞社薩摩川内総局長
下栗 淳 也

  今年のサラリーマン川柳コンクール1位に
            「ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?」
という句が選ばれたそうです。
  競争心がないとか、協調性がないとか、何かと批判されることの多い「ゆとり世代」ですが、そんな今の若者の上司に当たるのは「バブル世代」。根拠のない自信、意味なく楽天的などと、悪口を言われます。そんな世代間ギャップをサラリと突いた句で、クスリとさせられました。価値観の異なる人たちの考えや行動は気になるものです。それは戸惑いであり、発見の楽しみでもあります。
  さまざまな世代の人の文章を読むのも、これに似た楽しみがあります。人生の荒波を越えて穏やかな境地に達した人、仕事や子育てに追われながらひとときの安らぎを見つけた人、何げない日常の中でみずみずしい感性をうかがわせる人。
  「珈琲のある風景」エッセイもそんな彩り豊かな人生観や感性に出会える貴重な場です。審査員とは言いながら、一読者として楽しませていただきました。
  千を超す中から選ばれただけあって、甲乙付けがたい作品が並ぶのは仕方ありません。最後は自分の好みで決めるしかなく、申し訳ない思いがします。
  選んだのは明るくニッコリできる作品です。そんな私、バブル世代です。

講 評

協業組合ドゥ・アート代表理事
竹下 とみお

  参加2回目の審査会は、前回の難航した審査会の話しから始まった。今回は前回の経験を生かして、作品の選定をなんとかスムーズに進めたいという全員の隠れた意志があったようだ(笑)。何せ今回の応募総数が1,020点。それらを一点一点丁寧に読まれた船倉の社長、マスター、社員の努力と体力そして集中力は素晴らしいものがある。そうやって厳選された32点なので良い作品がずらりと並んでいた。
  2週間前に作品のコピーを受け取り、ワクワクしながら32点を読み進めていったが、今回は特にシチュエーションを連想させる作品が多くて、読んでいてとても楽しかった。自分にとっては3回目の審査であるが、すでに九回も続いている。継続は力なり。
  金賞は全員一致で「妹のアルバイト」。これまでとは違った切り口で軽快に読めた。若いころのふたりの思い出、さらに兄妹愛に溢れて素晴らしい作品だった。銀賞の「日本語は美味しい」は、定年後の二人の生活がしみじみと浮かんできた。
  日本語って微妙で難しいなぁと感じた。銅賞の「珈琲のある風景」は、息子さんとのぎくしゃくした関係ではあるが、親子という微妙な距離感をうまくついている作品だった。
  総じて今回は、介護関連の作品が多かったが、それも時代を反映していると思う。深刻な高齢化社会に入った日本。でも年齢を重ねた方々の作品には深みがあって人生を語るにはやはり経験がないと難しい。が、しかし若者もがんばっている。着目点が素晴らしい。これが若い感覚なんだなぁ。
  審査が終わり懇親会へ。来年は10回目を迎えるという話や、お互いの近況を話しながら、いつもになく日本酒がすすんで、酔っぱらってしまった。

かくも多彩な珈琲シーン

作家・船倉エッセイコンテスト 審査委員長
出水沢 藍 子

  コンテストの最終審査は、7人の審査委員によって行われる。予備審査を通過した作品から10点を選び出し、その中からさらに各自の「イチオシ」を決めて、審査に臨む。
  今回、最初の段階では「日本語は美味しい」がトップだったが、「イチオシ」を加えて話し合ったところ、僅差で逆転されるという結果になった。
  接戦を制して金賞に輝いたのは「妹のアルバイト」。心の病の癒えない高校生の妹が、初めてのアルバイト先に選んだのは、スーパーのインスタント試飲コーナーである。「顔を真っ赤にして、声を震わせながら試飲を呼びかける」が、客はだれも立ち止まってくれない。その様子を物陰からそっと見つめていた兄は、「タダで引き返せなく」なり、自分が最初の客となって、妹のコーヒーを買い上げる。妹を思う兄の優しさが胸を打つ。妹はどれだけ勇気を与えられたことだろうか。
  銀賞の「日本語は美味しい」は、定年後の夫婦の日常を描く。第二の人生のスタートに、妻は「家事の分担」を提案するがあえなく却下される。それならば、習慣になっている三時のコーヒーを夫に淹れてもらうことにしようと、一計を案じる。時間が来ても知らぬふりを決め込んでいると、しびれをきらした彼が「コーヒーでも淹れるか」と立ち上がる。「あらー、コーヒーが出てきた。ありがとう」。丁寧に礼を言い、かくして妻は美味しいコーヒーを味わうことになる。作戦成功。落ち着いた筆致でエスプリが効いた作品である。
  銅賞の「珈琲のある風景」は、母親と息子の物語。長く離れて暮らしていた息子が高齢の母の身を案じ同居を始める。言葉少ない息子が「コーヒーに眼が無い」母親のために、毎朝入れてくれるドリップコーヒー。それが母と子の繋がりの糸になっている。抑制の効いた文章から、母親の感謝の想いがにじむ。
  惜しくも選にはもれたが、「久住山の山男」のたしかな描写力や、50円の差でどのコーヒーを選ぶか、逡巡する女性の現実をユーモラスに綴った「50円の葛藤」も候補に挙がった。かくも多彩な珈琲シーン、入選するしないは紙一重ということである。
  このコンテストも来年は節目の10回目を迎える。気負わず衒わず、あなたにしか書けない、とっておきの「珈琲のある風景」を!

プロムナード

  第9回エッセイコンテスト入選作品集「ぷろむなーど」を作成しました。
1冊280円(税込み)で店頭販売致しております。

第10回エッセイコンテスト2018の応募要項

  • 応募受付期間/2018年1月1日(月)~4月30日(月)
    ※郵送の場合は最終日消印有効です。
  • 文字数は700字以上800字以内(段落、改行も文字数に含まれます)。メールの場合は、原稿用紙のテンプレートか原稿用紙に準じた様式(一行20文字×35行以上40行以内)とします。
  • A4の原稿用紙またはA4の用紙を使用のこと。(A4以外は不可)
  • ボールペンまたはパソコンによる文字を使用すること。(鉛筆は不可)
  • ホッチキス不可(クリップを使用するかなくても可)
  • タイトル、名前などの応募要項は別紙を使用(A4用紙)。文章は原稿用紙の一行目から書き始める。(原則縦書き)ペンネームは使用できません。